小岩井農場


 岩手を代表する観光地の1つです。のどかで静かな時間が流れています。盛岡インターから国道46号線を秋田方面に15分程行くと、秋田と小岩井農場とつなぎ温泉に分かれる大きな交差点があります。そこを右折して少し行くと景色は一変し、絵に描いたような牧場の風景が広がります。国道を右折してから、中心の「まきば園」までは車で15分位です。




 宮沢賢治もよく小岩井農場に来ていたことから、駐車場脇の牧草地帯には機関車(D51)が置いてあって(「銀河鉄道の夜」にちなんで)、客車はSLホテルになっています(写真左)。シャワー室や食堂はすぐ横の建物(写真右)の中にあるので、
結構快適に過ごせそうです(1泊2食で6825円、素泊まり4200円)。
<追加 : 老朽化のため、平成21年にSLホテルは閉鎖となりました。現在は外からの見学のみとなります>

 





「まきば園」は有料です(冬季間は無料)。ここが小岩井農場のメインなので、入場料を払って中に入ります。正面ゲートをくぐると広大な芝生が広がっていて、正面には岩手のシンボルである岩手山がそびえています。芝生を囲むように、周囲には乳製品やお土産などを売っているショップやレストラン、羊の博物館(中に羊がいて触ったりできます)、展望台、バーベキューレストラン(写真3段目の左)などがあります。どれも牧場の風景にマッチしたデザインの建物です。
展望台から牧場を眺めると、まるで箱庭のようです(写真4段目右)。

 

 

 

 





 遊ぶ施設も充実していて、トロ馬車や引き馬(係の人がちゃんと引っ張ってくれるので安心です。子ども用の小さなポニーもいます)、アーチェリー(写真より短い距離のものもあります)、パークゴルフ、アスレチックや遊具などがあります。

 

 

 





 ふれあい広場では、羊に触ったりシープドッグショー(お勧め)を見学したりできます。さくに囲まれた広い芝生の中に数十頭の羊が放されていて、自由に中に入って羊に触ったり並んで記念写真を撮ったりできます。羊はたいへんおとなしく、人間を無視して草を食べています。シープドッグショーが始まると、牧羊犬が観客席の前に羊を上手に集めます。
ショーでは、牧羊犬のいろいろな技を見ることができます。
 お尻に水色の印がついた羊がいますが、これはお腹に赤ちゃんがいる羊だそうです。

 

 


 ひつじ館の中には羊の種類や毛糸の作り方を説明しているコーナーがあって、その奥に羊達がいます。雨が降って放牧されていない時でも、ここでゆっくり羊を見たり一緒に写真を撮ったり出来ます。

 





 アスレチック広場の奥にある林を通って5分行った所に、まきばの天文館や羊の牧草地があります。天文館には大きな望遠鏡や展示室があって、空気望遠鏡という珍しいものも展示してありました(写真上段右)。天文館の前にはロングチェアが並べられていて、夜には満天の星を眺めることができます(昼は家族サービスに疲れたお父さんが寝ています)。すぐ前の牧草地にはたくさんの羊がいて、その奥には岩手山がきれいに見えます(撮影スポットです!)。
 周辺の林の中には散策路がいつくかあり、短いコース(写真下段右)は自由ですが、長いコースは個人での立ち入りは禁止で、係りの人の説明(山野草や木の実、昆虫、キノコなどの説明)を聞きながら歩くことになります(11時より約60分間。定員30名)。

 

 





 道路を挟んで、まきば園の隣には大きな木造牛舎が並ぶ上丸牛舎という所があります。ぜひこちらのほうも見学しましょう(無料)。牛舎の中や前の牧草地では、とても大きな牛たちがのんびり草を食べています。牛舎やサイロ越しに岩手山が望め、とても美しい風景です。小岩井の展示資料館(といっても木造のかわいい建物です−写真左の赤い屋根の建物)もあり、
小岩井農場の名前の由来や歴史などをわかりやすく紹介しています(無料)。

 



 現存する日本最古のレンガサイロ(写真左)のすぐ横には、子どもの牛専用の牛舎や牧草地があり、こちらが、「モ〜」と声をかけると一斉に寄ってきます。私がそこから離れようとすると、さくから顔を出して寂しそうにずっとこちらを見ていました。とても人に慣れていて驚きました。

 





 上丸牛舎の中を通って奥に15分位歩いていくと、小岩井の牛乳工場に着きます(写真1段目左)。途中には、賢治の碑やあずま屋があり、秋に行った時には栗がたくさん落ちていました♪。美しい自然の中の散歩道です。もちろん、まきば園から牛乳工場までは車で行くこともできます。車で行く場合、牛舎前から500m奥(網張方面)に進むと左に曲がる道(玄武洞や一本桜方面)があるので、そこを左折してさらに500m進むと牛乳工場があります。工場は、中を見学したり牛乳の試飲をしたりすることができます。時間のある方や県外から来られた方にはお勧めです(水曜休館日)。
 牛乳工場の前の道をさらに奥(玄武洞方面)へ行った所に、映画で有名になった小岩井一本桜があります(写真4段目右)。この写真は桜が咲いていませんが、5月初めになるとピンク色のきれいな花を咲かせます。数年前、一本桜のすぐ前に専用駐車場ができました。普段はここに置けますが、桜の咲く頃はたくさんのマイカーや観光バスが押し寄せ、それほど広くない駐車場は大混雑となります。気長にあくのを待つか、牛乳工場の大駐車場において歩くことになります(片道約800m)。

 

 



 





「まきば園」の無料大駐車場の一角に「どんぐりころころ」という木工製品やお土産を売っている売店があります。テラス席の食堂もあり、牧草地帯を眺めながら簡単な食事もできます。

 





 まきば園や上丸牛舎、牛乳工場の一帯が小岩井農場の中心ですが、広大な農場の中には他にも
いくつか見所があります。
 1段目左の写真は、賢治が小説の中で「気取った建物」と表した旧本部です。広い農場を見渡すための望楼がかわいいです。国登録有形文化財。すぐ横には歴史を感じさせる建物が当時の姿で残っています。
 2段目からの写真は、木造4階建ての穀物乾燥庫、『四階倉庫』です。中にはエレベーターもついています。花見や月見の宴場、物見櫓としても活躍しました。当時の農場の象徴的建物です。賢治の詩にも登場しています。普段は中に入ることができませんが、ちょうど入り口を開けて作業をやっていたので、ことわって中を見学させてもらいました。
 1番下の段の右の写真は、『狼森』(おいのもり。岩手山の手前に広がる森)です。賢治の童話の舞台にもなりました。森の中は個人で歩くことはできません(時々、散策ツアーが開催されます)。

 

 

 

 







 小岩井農場は、見たり遊んだりできるものがいろいろとあります。また、外でも焼肉ができるバーベキューレストラン、小岩井乳製品を使ったフランス料理レストラン、名物の特製オムライスが食べられる食堂、チーズケーキハウス、テイクアウトコーナー(ソフトクリームが有名)など食事ができる施設も充実していて、
1日ゆっくり滞在できる所です。
 冬には雪祭りが行われ、、大きな雪像やかまくら、花火などが見られます。

 小岩井農場の春の写真秋の写真冬の写真があります。