奥入瀬渓流


 新緑の奥入瀬渓流に行ってきました。奥入瀬渓流は、十和田湖の「子の口(ねのくち)」から焼山までの三里半の美しい渓流で、ほぼ全域に遊歩道が整備されています。渓流沿いには多くの滝や流れが点在し、森林浴をしながら美しい風景の中を歩くことができます。



 奥入瀬渓流は有名な観光地なので、観光バスがひっきりなしにやってきます。一般観光客も多く、紅葉の時季は渋滞して動けなくなります(観光客が車道の脇に車を止めるため。でも車道しか止める所がないです(>_<))。私が行ったのは新緑の時季で、しかも快晴の日でしたので、車を置いたりする場所は全くないかなあと思いましたが、それぞれの観光ポイントにある数台置けそうな空き地はどこも車を置ける状態でした。まだ混み合う前の午前10時頃だったということもあるかもしれません。 

 奥入瀬渓流は十和田湖が上流で、子の口から焼山に向かって川が流れています。奥入瀬は下流のほうから見ていったほうがきれいといわれていますが、そんなにこだわることもないように思います。奥入瀬は木が生い茂っていることもあって、日が傾いてくると思ったより暗くなるので、あまり夕方にならないように見てまわったほうがいいです。できたら、午前中から午後2時頃までがお勧めです。観光でしたら晴れた日の午前中が木漏れ日も射してきれいですが、写真は晴れていると日陰の部分が黒くなりすぎるのでプロのカメラマンたちは曇りの日に撮影に行くそうです。

 奥入瀬は初めてという方は、観光マップなどを見ても全ての滝や観光ポイントが載っていて、実際どこを見ればいいのかわからないと思いますので、
簡単に書いておきます。
 奥入瀬渓流は、端から端まで(子の口から焼山まで)14,1km、徒歩所要時間が4時間10分となっています。所々立ち止まって見学をしたり、休んだりしながら歩くと、6〜7時間かかりそうです。近くに宿泊し、丸1日は奥入瀬だけで過ごしたいと思っていて、しかも健脚の方は別として、一般の方は奥入瀬の端から端まで歩くことはお勧めできません。少しは長く歩いてみたいというのであれば、焼山と石ヶ戸の間は景色の変化が少なく見所もあまりないので、石ヶ戸から銚子大滝まで歩くのがいいと思います。しかし、石ヶ戸から銚子大滝まで歩くのもけっこう大変なので、その間でバス停のどこか1〜2区間を歩く(戻る時はバスで。1時間に1本位の間隔で走っています)とか、車で移動しながら、それぞれの見所周辺を歩くという方法がお勧めです。
 観光マップなどを見ながら次の説明を読んでいただければわかりやすいですが、子の口から下流(焼山)に向かって、「ここはお勧め!」という観光スポットをあげると、銚子大滝、白糸の滝、玉簾の滝、雲井の滝、阿修羅の流れ、石ヶ戸(三乱の流れ)ということになります(時間がなければ白糸の滝は通りすがりに車から見るだけにしてもいいと思います)。この6つを車で移動しながら見てまわるというコースがベストでしょうか。時間は4時間〜5時間位かかります。「いや、私は通りすがりに1つ見ればいいんだ!」という方は、銚子大滝とその周辺散策がいいです。

 徒歩やバスで移動することを考えている方はいいですが、車で移動したいという方は駐車場が心配だと思います。ネットを見ると、「道路脇に数台置ける場所が所々にある!」というようなことが書かれていてイメージがつかみにくいと思いますが、実際その通りで、2,3台置けるような少しだけ広めの路肩が渓流全体を通して点在しているので、どこに何台と正確に言うことはできないです。下の写真のような感じです。

    

 車で走っていて、あいている所に止めるということになります(紅葉の時期だと全部いっぱいでどこにも置くことができず、最後は車道をふさぐように止めてしまうので大渋滞になります。秋は子の口か焼山(できたら石ヶ戸)に車を置いて、あとは徒歩、バスにしましょう!。
 主な観光ポイントには、車を置けるスペースが比較的広くとってあります。でも、いろいろな観光マップを見ると、銚子大滝と石ヶ戸に「P」マークがあるので、100台位置ける広〜い駐車場があると想像される方もおられるかもしれませんが、銚子大滝などは、「あれ〜、駐車場がない(>_<)」と思ったくらいで、道路脇に30台位置ける程度です(下の写真の上段左)。白糸の滝付近は2,3台、雲井の滝は6台位(写真上段右)、阿修羅の流れは5台位(写真下段左)置けます。石ヶ戸だけは他に比べるとはるかに広く、道路わきに100台位置けます(写真下段右)。

    

    

 石ヶ戸には小さな博物館のようなものや売店、大きなトイレなどが完備されてあります。売店の横ではそばやうどん、ソフトクリーム、おにぎり(100円)などが売られていて、外のベンチで自然を見ながら食べることができます。私は十和田産のとろろが入ったそば(500円)を食べましたが、とろろの粘りがものすごく、今までに体験したことがない程のねばりけでした。麺とよく合っていて、おいしかったです(^o^)。

    

 レンタサイクルが子の口と焼山にあり乗り捨てもできますが、車道が狭く曲がりくねっているうえに交通量も多いので、周りを見ながら走っていくというより、車に気をつけながら走ることで精一杯のような感じです。焼山から子の口まで距離的にも自転車で行くのは大変そうです。個人的にはあまりお勧めできません。小学生は危険なので止めたほうがいいです。

 奥入瀬渓流の見方については、大体こういった感じです。以下、見どころを十和田湖から順番に写真で紹介していきたいと思います。




    

 十和田湖です。カルデラ湖で、深さは326,2mあります。大きな町?(おみやげ屋さんやホテルが集中している所)は湖の東側にあり、子の口、宇樽部、休屋の3つがあります。この中で休屋が飛び抜けて大きく、大型ホテルや旅館、大きなおみやげ屋さんがたくさん並んでいます。有名な乙女の像もここにあります。休屋は奥入瀬渓流の入口で、大きなおみやげ屋さんが数件あります。宇樽部には民宿が集中しています。この3ヶ所は遊覧船の発着場にもなっています。
 「発荷峠」、「瞰湖台」という十和田湖が一望できる展望台もあります。
 湖畔にはレンタサイクルもありますが、周囲は46,2kmあり、しかも急で長い峠の連続なので、秋田の田沢湖と違って1周することはできません。
 写真右は、子の口にある奥入瀬渓流の入口です。ここから渓流がスタートします!




 子の口から1,6km(徒歩30分)の所に、銚子大滝があります。本流では唯一の滝で、この滝のために十和田湖には魚がのぼってこれないそうです。奥入瀬渓流では最も迫力のある滝です。

   




 銚子大滝から2,3km(徒歩45分)行くと、一目四滝と呼ばれるように、複数の滝が集中してあります。端正な姿の「白糸の滝」(写真左)が有名で、そのすぐ近くに細長い「不老の滝」(写真右)、「双白髪の滝」、「姉妹の滝」、少し離れて「玉簾の滝」と「白絹の滝」があります。「白絹の滝は」木に隠れていて、ほんの少ししか見えません。

     




 玉簾の滝から、さらに2,4km(徒歩40分)行くと、「雲井の滝」があります。ここは、「銚子大滝」、「石ヶ戸」と並んで有名な所で、たくさんの人がいました。3段に分かれた、きれいな滝です。




 雲井の滝から1km(徒歩20分)行くと、「阿修羅の流れ」があります。奥入瀬には滝が多いですが、ここは美しい「流れ」として有名な所です。蛇行しながら階段状に川が流れていて、苔のついた大きな岩が点在しています。1つの絵画のような風景です。





 阿修羅の流れから1,6km(徒歩25分)行くと、石ヶ戸に着きます。阿修羅の流れが動の美しさとしたら、石ヶ戸には静の美しさがあります。石ヶ戸の「ケ戸」とは「小屋」の意味で、石がカツラの巨木に倒れ掛かって石の小屋に見える所からついた名前だそうです。昔、鬼神のお松という美女の盗賊がここを住みかとして、旅人から金品を奪っていたという伝説もあります。





 石ヶ戸の駐車場から歩いてすぐの所に、「三乱(さみだれ)の流れ」があります。大きな岩が島のようにいくつもあり、岩の上にはきれいなツツジが咲いています。カメラマンがたくさんいました。
 一応、このあたりが奥入瀬渓流の見所の終点ということになります。





 石ヶ戸から車で15分位で、奥入瀬渓流下流側の端の焼山に着きます。ここには、写真左のような観光センター(とても大きなおみやげ屋さんやレストラン)、無料の博物館(写真右)、高級ホテルなどがあります。
 ここからブナ林の中を上がっていくと、蔦温泉や酸ヶ湯などがあります。